blue mountain~その頂きに何を望む~

ついにジャニヲタ&エイター歴15年という大台に乗ってしまったとある無差別ジャンルヲタクの戯言です。特撮も吐き出す事がある…かも。

2010年2月7日シンケンジャー感想サルベージ

2010年2月7日にmixiの日記に書いてた当時侍戦隊シンケンジャー最終回を観終わった後の感想。
シンケンジャーやっぱり大好きだったなぁ、でmixiから感想をサルベージしてきました。
うん。
シンケンジャー
12年経ってもやっぱり大好きだな。

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見ちゃいました。
終わっちゃいました。

年が明けてからのストーリーは怒涛の展開で、
ノンストップで走り抜けるけど、きっちり今までの伏線も回収する、という脚本家小林靖子さんの腕前に感服。

元々小林さんがメインライターを務める年の作品は戦隊ものであれ、仮面ライダーであれ、私がハマっていた事が多く…。
いや、というよりもダダはまりだった作品しかなく、1番好きな作家さんだと言っても過言では無いぐらいの方です。


この日記を読む可能性があって、シンケンジャーを見てた人なんてほとんどいないと思うんで、
あり得ない程の長ったらしい文章になるかもしれませんが、少し細かい説明を入れる事にします。

ここからは自分の意見も織り交ぜつつ、本当に長い話になります。
読むのが面倒くさい、興味無いという方はこれ以上は読まない方が賢明かと思われます。


さて、ここからは自己満足な感じで小林さんを誉め称えつつ、シンケンジャーの話をしていきたいと思います。

とりあえず、全くシンケンジャーを知らないという方がこの日記を読んでおられた時のために簡単にストーリーの説明を。


何百年の昔から隙間を通ってやってきては、この世を恐怖に陥れる化け物『外道衆』。奴らを退治し、この世を守っていたのは5人の侍たち。彼らの力は親から子へ、子からまた子へ受け継がれ、人知れず戦い続けた。

時を経て現代、再び外道衆がこの世に現れた。そこに奴らを退治せんと、5人の『侍』が集結する。武芸に優れ、代々受け継いだ不思議な文字の力『モヂカラ』で戦う志葉家の殿様と4人の家臣たち。

天下御免の侍ヒーロー『侍戦隊シンケンジャー』ここに見参!

テレビ朝日侍戦隊シンケンジャーHPより引用〜

志葉家18代目当主シンケンレッド志葉丈瑠/火
同じくブルー池波流ノ介/水
同じくピンク白石茉子/天
同じくグリーン谷千明/木
同じくイエロー花織ことは/土

という感じの5人の若者が侍として戦い、後にお殿様の幼馴染、寿司屋の源太(シンケンゴールド/光)が昔交わした「家臣となって丈ちゃん(殿様)を守る」という約束を果たすために侍の家系で無かったにも拘わらず、自ら修業をし途中参戦する。


とまあ、キャラ紹介はこのぐらいにしておいてストーリーに話を戻します。


私が本当に小林さんはスゴイなと感じたのは第六幕。
相手が最も気にしている欠点や隠し事を見抜き、言い当てる事が出来、悪口で相手の心だけでなく肉体をも傷つけられるという能力を持った敵が登場した。
その際、殿様である丈瑠に向けられた言葉は

「うそつき」

であった。

それは一体何を意味するのか?

私の中でも色々仮説はたっていたのだが、その頃はまだシンケンジャーが始まって間もない頃だったので、
その内それについて明かされるだろうと思い、詮索する事を止めた。
しかし、いつになってもその意味は明かされる事はなく、1年という長いスパンの作品に有りがちな、
話の風呂敷を広げたはいいものの、畳み切れなかったパターンかと思い、少し残念に思っていた。

そうしている内に年も明け、話も最終局面に近づいてきた。

年明け1発目第四十四幕、狙われたのは志葉家当主である丈瑠だった。

志葉家当主には代々、強大すぎて倒す事の敵わない敵の総大将を抑えつける唯一の手掛かりである封印の文字というものが受け継がれてきた。

それを阻止しようと敵の作戦により、火のモヂカラに反応し、モヂカラが高ければ高い程攻撃力があがるという攻撃を仕掛けてきた。
志葉家の当主であれば、火のモヂカラは体の隅々まで染み亘っており、その攻撃を食らえば体が焼き尽くされるはずだった…。

しかし、攻撃を受け倒れるも、焼き尽くされる気配は一向に無い。
敵は丈瑠の相打ちにより敗れ、巨大化。
他の侍は巨大ロボにて応戦する。

そんな中現れたのは志葉家十八代目当主を名乗る姫・薫だった。


丈瑠は彼女の影武者だったのだ。


第六幕の時、『侍』、『殿』、『うそつき』というキーワードで私が連想したものは影武者であった。

しかし、丈瑠自身が自分を顧みない戦い方をする事に僅かな疑問を抱かせられる事はありつつも、
はっきりとしたエピソードとして表現される事は無く、6話から数えて38話もたってからの種明かしだった。

丈瑠の殿様らしい振る舞いを見るたび、また、子供番組であるという根本も考え、影武者であるはずがないと信じてきた。

それだけにまさかここまで来てその話を持ってくるとは、とただただ私は驚いた。

そして、あんなに初めの段階から今この時のための伏線を張っていた事も。
恐らく、撮影を始めたりする前の初期段階から影武者にするという事は考えられていたのだろうが、初期段階からその伏線を張るのは勇気がいる行動だったのではないだろうか。

子供番組なので、レッドが実は殿さまじゃないという展開に子供がついていけるのか?
などの話も出たのではないかと思う。

伏線を無視し、軌道修正を掛ける事も可能だったはずだが、それでもその路線を変えずにすんだのは、そんな意見を捻じ伏せられるられるような素晴らしい話が後に控えていたからだと思う。


影としての役割を終えた丈瑠は侍の家系ですら無いため、屋敷を出る。
それを見つけた幼馴染の源太には

「びっくりするほど何もないな」

ともらす。


その後、人を斬る事に魅入られ、人間でありながらも外道に落ち、ただひたすら斬りあいを求める『腑破十臓』が丈瑠の前に現れる。

ここから2話に渡り2人は戦い続ける。
この時のアクションシーンは鬼気迫るものがあったと思う。

何もないという丈瑠に対し、戦いが全てだという十臓。

ただ1人、丈瑠はどこか歪だと言い続けた十臓。

丈瑠は親(初めは当主だと思われていた人)を目の前で外道衆に殺されたため、侍でありながら復讐者でもあり、その気持ちを抑えて、他の者には気付かれないものの、十臓だけは感じ取ったという事ものかと私は考えていた。

しかし、これもまた丈瑠が影武者である事を匂わせる伏線だったのだ。


2人の戦いは続き、侍として姫の傍にいなければならないという思いを振り切り、ただ丈瑠のためだけに駆け付けた家臣の声も届かない。
まるで丈瑠も外道に落ちようとしているかの如く、辺りは赤く光る。

そして、十臓は剣を弾き飛ばされ重傷も負い、決着は着いたかと思い、ホッとしたのもつかの間、まだ十臓は向かおうとしてくる。
それを止めたのは十臓の愛剣であり、妻の魂より作られた『裏正』だった。

1度弾き飛ばされ、裏正は地面に突き刺さったのだが、それと同時に十臓の足に深く刺さり、足を地面に縫い付けていたのだった。
そして、ようやく十臓は倒れ、火の海に飲まれようとしている所を水のモヂカラを持ち、そして誰よりも侍という立場を重んじ最後まで丈瑠の元へ駆けつける事を迷っていた流ノ介が活路を開き、他の侍達が助け出した。


約1年間に渡り、絆を育んできた丈瑠と侍達。はっきりと表現されているわけではなかったが、その絆が外道へと落ちかけた丈瑠を引き留め、そして奇しくも十臓もかつての夫婦という絆により、戦いだけを求めて生きてきた命を終えるという結果になった。

この時の題は『絆』であり、丈瑠と侍達の絆について描かれる事は予想出来ていた。しかし、そこに十臓のエピソードまで絡めてくる事は予想外だった。

その後は侍達のサポートとして戦う丈瑠。
けじめなのか変身する事は無く、封印の文字を使う姫を少し遠くで見守っていた。

しかし、総大将に封印の文字が効く事は無かった。いや、少しは傷跡を残す事は出来たのだが、封印を成し得る事は出来なかったのだ。

総大将ドウコクはシンケンジャーと向き合う直前、未練を手放す事にし、この世から消える事を決意した十臓と同じはぐれ外道の薄皮太夫を取り込んだのだ。

この表現だけではあまり伝わらないかもしれないが、とても胸に来るシーンだった。

愛した男に裏切られ、その祝言に火をつけ外道に落ち、その男の魂を三味線に縫い付け、それにのみ執着してきた太夫
そして、太夫が人間であった頃から聞こえてき続けていた悲しい太夫の三味の音に心を動かされ続けたドウコク。

未練の象徴である三味線を手放すにあたり、最後に弾いた音色は昔のようないい音では無くなったとドウコクは言い放ったが、それにより、太夫が他の男では無く自分を少しでも見てくれたという事が嬉しくもあったと思う。

そうして、取り込んだ太夫のおかげで純粋なる外道衆だったドウコクに人間という不純物が入り込んだ。それにより、封印の文字が完全には効かなかったのだ。

口に出す事は無かったものの、恐らく愛していただろう女の死と引き換えに命拾いをするとは、なんて皮肉な事だろう。

ドウコクはそのまま圧倒的な力で反撃をし、姫に重傷を負わせる。

無事だった丈瑠の助けにより、何とか逃げ帰るが、封印の文字は効かない。姫は重体。


心配するお目付け役をよそに丈瑠と2人きりになりたいと呼び寄せる。

その時、何の会話をしたのか初めは描かれなかったが、次の日家臣たちがいる前で丈瑠を呼び、上座に座らせる。
そこから引きずり降ろそうとするお目付け役を止め、姫は丈瑠を養子にしたという。

姫の方が年下だ、おかしい、という言葉にも耳を貸さず、後継ぎを作るために養子を迎える事はよくあることだと言い放つ。

そして姫は当主の座を明け渡し、こうして丈瑠は志葉家十九代目当主となった。

丈瑠が1年間レッドとしてやってきたので、もしかしたら姫と結婚して婿養子になるかも…という事は考えたりもしたが、まさか、息子になるとは……といった感じである。

しかし、実際、もし婿になったのであれば、姫が前線から引いたとしても当主になる事は出来ないので、確かにことらの方が納得は出来る。

思わず笑ってしまったが。

本来ならば、ひたすらにシリアスな展開になっていても可笑しくない所をやはりここは戦隊ものらしくギャグも盛り込んできたな、やはりこうでなくては、と思ってしまった。


ここ数回の重く張りつめた空気が一気に晴れ渡ったようであった。


封印の文字が効かないとあり、丈瑠の打ち出した作戦は力づく。

それだけ?と呆れるお目付け役に対し、侍達はそりゃそーだと笑いあう。

この時の家臣たちの笑顔、そして嬉しそうにわざとらしく平伏すあの姿にはとても微笑ましいものがあった。

姫・薫が出てきた時はファンの間ではあまりよく思わない人も多く、実際私も複雑な思いで見つめていた1人ではあったが、彼女もとてもいい役どころだったと思う。

影を影として蔑ろにするのではなく、きちんと影として生きてきた辛さを受け止め、感謝の気持ちを述べ、さらには外道衆を一刻でも早く倒さなければという使命感で自らが出陣して来た事によって丈瑠と家臣たちとの絆を引き裂く形になってしまった事に対しそれぞれの気持ちを汲み取り謝罪まで述べるとはなんて出来た当主なのだろうか。



そうして迎えた最終決戦。丈瑠曰く、母から渡された力を使い、封印の文字の後遺症が残っている傷跡に渾身の一撃を入れる。

しかし、それだけでは倒せなかったドウコク。
再び倒れるも、また立ちあがりドウコクに立ち向かっていく6人。

何とか全員の力を合わせ、倒す事に成功。

巨大化したドウコクはやはり強く苦戦を強いられるも、至近距離での一撃にかけ見事撃破。

戦いは終わり、丈瑠は志葉家当主としてこの世を守り続けると誓い、侍達はそれぞれの道へと進んでいくのであった。



というのが、年明けから最終回までのストーリである。

これだけ長い文章を打ち続けても飽きる事のないぐらいにシンケンジャーに涙し、感動し、そして笑わせてもらった数週間。いや、1年間だった。

これだけの色々な視点から考え、そして感じさせてくれるストーリーを作ってくださる小林さんはやはり尊敬するべき方だと思う。

私は不覚にも丈瑠が影武者だとはっきり判ってから、絆により我を取り戻すまでの3週間分をほぼ1度の見たのだが、その1時間半涙が溢れて止まる事が無かった。

元々、映画やドラマを見ている時は時に泣きやすい性質があるにはあるのだが、それだけの時間泣き続けた事は初めてだった。

当主の影として、幼い頃より生き続け、家臣が自分という影の盾になる事を嫌い誰よりも先陣を切って敵に向かっていく姿。
その姿を思い出すだけで胸が痛くなる。


もちろんただの子供番組だと言われればそれまでだが、下手なゴールデンのドラマ…いや、傑作といわれるドラマと比べても遜色のない作品だったと思う。


そして、ヒーロー番組に忘れてはならないのが、皮の中の人だったり色々な呼び方がある、スーツアクターさん。

私は特撮を小さい頃から今までほぼ途切れる事無く見続けている、生粋の特撮ファンだ。
何故特撮が好きなのか、と人に尋ねられる事もあるのだが、理由としては主に3つ。

1番目にストーリーの面白さ。年によって多少出来の良し悪しがあるものの、これが無ければ見続ける事なんてさすがに不可能だと思う。
大体、新しいヒーローになった時はまた変な格好になっていると思うのだが、見続けるうちにストーリーに引き込まれ、そのマスクすらカッコイイい思うようになるのが常である。

2番目に若手俳優の成長を見る楽しさ。特撮に出るメインの俳優さんはその作品でデビューもしくは別の作品で出た事はあるものの、脇役だったりする事が多い。今回のブルー役の彼は少し異例だがまぁ、それは一先ず置いておこう。
初めの頃は棒読みで、全然ダメだと思っていた人達が、1年間もの間メインで芝居をする事によって大きく成長した事が実感出来る。この楽しみ方は普通のドラマではあまり出来ないと思っている。

そして3番目にアクションが来る。そこで先程名前の挙がったスーツアクターさんの出番になるのだ。
特撮を見続けてきたからなのか、元来そういう性質を持っていたのか、私はアクションを見る事がかなり好きだ。
かといって格闘技が好きだったりするわけではない。嫌いでもないけれど。
アクションは演じる方も映す方もしっかりとした技術がいる。
当たっていないはずなのに、当たっているように見える。
不思議な話だ。
アクションに興味がない人は特に気にしてみる事はないだろうが、アクションを演じている方々は本当にスゴイと思っている。
それにつけて、ヒーローものは演技力まで要求されるのだ。
別人が演じているはずのキャラクターを演じ、さらにマスクを着けているので顔の演技をする事も出来ない。
云わば、パントマイムのようなものなのだ。
演技力も持ち合わせ、更にアクションを魅せてもくれるスーツアクターさんはスゴイ。
そう思うたび、スーツアクターさんへの憧れは積もっていくのだ。

と語りだしたらきりがないのでアクションについてはここらで切り上げておく。

あ。1つ付け加えると、私はワイヤーアクションも大好きである。うん、これ以上は言わない。


そんなこんなで、シンケンジャーの話へと戻ってくるのだが、侍ものというのは意外な事に戦隊ものでは初の試みだった。
そのためか、アクションの演者も撮影者も気合が一段と入っていたように思う。

剣の使い方1つにしても、こんな使い方もあるのかと感心させられる事が多かった。


最後に、私が特撮を好きな理由の1つである、俳優さんの成長について。

さんざん殿について話をしていたのだが、シンケンジャーにて俳優デビューした丈瑠役の松坂桃李くんの成長は素晴らしかったと思う。もちろん谷千明役の鈴木勝吾くんも。
桃李くんについては家臣との絆により助けられた時の涙が1年間の成長をはっきりと物語っていると思う。
こうしてまた成長した俳優さんたちの姿を見る事が出来てよかったと思う。
シンケンジャーが終わり、別の番組で活躍する姿を見た時、少し寂しい気にはなるだろうが、出来る事なら、やはり大きく飛び立ってほしいものである。


来週からは天装戦隊ゴセイジャー(護星者)が始まる。
何やらヒーロー達は護星界という所からたまたま地上研修に来ていた見習い護星天使という役どころらしい。
思わず天使!?と思ってしまったのだが、まぁ、どんな作品になっているのかは見てのお楽しみという事で深く考えないようにしようと思う。

もし最後まで今日の日記を最後まで読んで下さった人がいてくれたのならば、私の自己満足のここまで付き合って下さった事に感謝の気持ちを述べたいと思う。

長い時間お付き合い頂き本当に有難うございます。

では、またその内お会いする日までさようなら。