blue mountain~その頂きに何を望む~

ついにジャニヲタ&エイター歴15年という大台に乗ってしまったとある無差別ジャンルヲタクの戯言です。特撮も吐き出す事がある…かも。

漫画「リクエストをよろしく」感想~心のふるさとAMラジオ~

あなたはラジオを聴いた事がありますか?


思わずそんな問い掛けをしたくなる作品に出会った。


「リクエストをよろしく」
2022年1月27~31日に飯島寛騎くん、廣瀬智紀くんのW主演で舞台化される漫画作品である。


当ブログ2つ前の記事で熱く感想を書いた映画「ブレイブ-群青戦記-」より早数ヶ月。
飯島くんが推しになってから私にとっては初めて生で観れる舞台。
ここ数ヶ月、2nd写真集やカレンダーお渡しイベントでご本人様と直接お会いする機会はあったがやはり一番観たいのはお芝居なので今回の舞台出演は心から嬉しい。
楽しみで楽しみできっとお正月を過ぎても「もーいーくつ寝ーるとー」と歌い出したくなる衝動を抱えてここ数日過ごしている。

上演まで後1ヶ月という所で舞台を観てから原作を読むか?原作を読んでから舞台を観るか??と2日程迷いに迷い(2日だけかい)、楽しみすぎて我慢がきかなかったので結局原作を読んだ。

その結果が冒頭に書いた一文だ。


漫画を読んでラジオあるあるに触れて思い出した。
「そうだ、私は小学生の頃からラジオが大好きでFMよりAM派なAMラジオっ子だったんだ!」


「ANNサタデースペシャル大倉くんと高橋くん」が約1年半前に終わって以降、少しラジオから離れ気味の生活をしていたのでうっかり忘れかけていた。
そう。私はラジオのヘビーリスナーだったんだ。

小中学生時代、平日夜は芸人さん達の帯音楽番組。土日夜は声優さん達。
高校以降は夕方の野球中継に深夜はジャニーズからのオールナイトニッポン
そんなラジオ漬け生活。

ラジオでの軽快で心地よいトークが好きで昔からFMよりAM派。
コントより漫才派なお笑い大好き大阪人なのもあってか、出演者の掛け合いが多いAMラジオを特に好んでいた。


「リクエストをよろしく」を読んでいると色んな事を思い出す。

好きなお笑いコンビが解散した事とか。

中学生の時にラジカセを持って部屋中ぐるぐるして、関西では流れないけど四国ラジオ局で放送されていたDA PUMPの番組を何とか聴こうとしてほとんどノイズばかりの中、辛うじてメンバーの声や曲が聴こえた感動とか。

高校生の時は部活帰りの下校時、制服の胸ポケットに携帯ラジオを入れて学校の帰り道、阪神の試合のラジオ中継を聴きながら毎日帰って電車の中だとノイズ多めになるから少しでもクリアに聴きたくてドア近くで良いポジションを探してた事とか。
甲子園球場で試合を見ながら攻撃の時はがむしゃら応援して、守備の時だけ耳にイヤホンを入れてラジオをつけて解説を聞く時の臨場感とか。

毎週聴いてた関ジャニ∞の村上くんと横山くんの10年以上続く枠のラジオで横山くんがある日突然、ラスト5分で自分は番組卒業して旅に出てきますとかあっさり卒業してその日は頭ぐちゃぐちゃで眠れなくなった事とか。
たまにスペシャルの時にふらりと帰ってきて2人のトークがまた聞けるのが嬉しかった事とか。

大好きなラジオ番組はカセットテープにMDにと、時代に合わせて色んな方法で番組を録音して大切なコレクションとして今も家に残してる事とか。
発売前の新譜はラジオで一番に音源が流れるから録音したMDを編集してアルバム発売前にラジオ音源で自分だけのアルバムを作っていた事とか。
少しでも沢山録音するために手動でCMカットをして1枚に詰め込めるだけラジオ番組を詰め込んでいた事とか。
1曲ごと、コーナーごとにトラックを変えていた事とか。

そんな「とか」が溢れて止まらない、ラジオと私。

今はradikoを使うようになって携帯ラジオやラジカセの荒い音声を聴かないどころかradikoプレミアムで1週間タイムフリーだったり、簡単に違う地域のラジオまで聴けるようになったけど、全然違う地域の電波を拾ってスピーカーにかじりついて生で聴くラジオがやっぱり私は大好きだったなって。


「リクエストをよろしく」を読んでたらそんな感情の大波に煽られた。
初めて読むのに懐かしい。
大好きな匂いとノイズが入った音が目から飛び込んできて。
次へ次へと読み進める手が止まらず、読み終わった後の余韻が心地よかった。


この作品の主人公「朝日屋颯太」。
飛び抜けた芸があるわけではないが明るくて、騒がしくて、ムチャ振り体当たり何のその。自分自身の事ではへこたれず、するりと人と人の合間に溶け込み馴染む不思議な人。
自分の事ではヘラヘラしてられるのに大事な仲間がいなくなる事に対しては繊細で、それを僅かな表情の強張りから読み取れる水無月
ただ明るくて能天気で何も考えてないやつでない事を知る人はきっと多くない。
ソータの明るさは仮面ではないが、自分自身でも気づかないレベルで仮面としての役割を果たしてしまっている。
一所懸命の空回り。何か策があるわけではないが何かしなければならないと突き動かされる衝動。
水無月が解散を申し出、それを受けたソータの心理描写は多くは語られていない。「水無月がそう言うなら」それは信頼の証であり、でも、だから、もっと我儘になって引き留めて欲しかった。

明るい笑顔に大きなリアクション、無茶ぶりに困惑した次の瞬間には何者かを憑依させ演じる事が出来るソータを飯島くんが演じるのかと思うと楽しみで仕方がなくて街中で暴れまわりたい気持ちになる。


対するもう一人の主人公、ソータの元相方・水無月はクールに見えるし、ソータに当たりが強く、一見無愛想。けれども誰よりもソータの成功を願い、そして自分が面白いと思うものに熱く想い抱きそれを臆面なくぶつけられる人。

朝日屋颯太を操縦する「水無月」役の廣瀬智紀くんは現在spotifyで配信中のオーディオドラマ「アイドルのハウスキーパーになりました」や過去に「貴族降臨 -PRINCE OF LEGEND-」で飯島君と共演されている。
俳優さん達なので初対面同士でも勿論お芝居で上手く掛け合いしていく事は出来るだろう。
けれど、コンビのお笑い芸人として他人だけど他人じゃない運命共同体だった2人を演じる上ではお互いがどういう間・呼吸を取るか知っているというのは「コールタール」を2人で演じ、創り上げる事のアドバンテージに少しはなっているのではないだろうか。


そんな2人のコンビが大好きだったラジオディレクター「雪室」。
雪室の「元・コールタール」の2人に対する心の声は好きになったお笑いコンビの解散を見てきた人はきっと皆考えた事のある想いだ。
なんでの気持ちと好きの気持ち。でもそれを押し付けるのは失礼だという理性。

これは本当に個人的な重めの感情の吐露だが、ソータと水無月を見ていると私が大好きだったお笑いコンビを思い出す。
今は解散してそれぞれピン芸人を続けているが、一人は明るくて見た目派手だけどポンコツで、ネタを全然覚えられなくて申し訳なくて。それを理由に解散しようと申し出た。
解散を突き付けられた側がネタを考えていたので「コールタール」とは逆の立場だがそれでもダブってしまった。
ネタを書いてた人は最後まで解散に反対して、解散ライブの後もなんでだって想いを隠さなくて、解散日以降もしばらくはツイッターの名前からコンビ名を取っていなかった。
今は自分の名前だけになったが、不精なのか未練なのか、数年たった今もアカウントにはコンビ名が入ったままになっている。
彼は水無月とは違い表からは退かず、放送作家に舞台の脚本、そして演者として板にも立ち、自分の作ったネタで他の芸人さんや俳優さん達と漫才をするという企画をしている。
特定の相方を作らず、でも漫才やコントを人と続けるその人を見ているとどうにかコンビが復活しないだろうかと管を巻いてしまう自分がいる。
雪室は凄い。鳴りを潜めさせている自分の欲望を押し付け過ぎず、でもたまに溢れて、それもちゃんと仕事の形にさせた。そんな彼女をとても愛しいキャラクターだと思う。


灰かぶり姫・「チーコ姫」。
飾っているのに飾っていない姫の姫としての明るさに救われたリスナーはきっと沢山いた。
確かにいた。番組が変わっても追いかけて来てくれるハガキ職人達が確かなその証。
シンデレラの魔法は0時前にとけてしまったけど、苦労を重ねた先に深夜の魔法を掛けてもらった彼女はきっと次は昼の世界でガラスの靴を抱えた王子様が迎えに来て素敵なお城に住まうプリンセスになる。
そう私は信じている。
彼女の長い長い物語はまだ始まったばかりだ。


今はスマホYou Tubeが簡単に見れて色んなチャンネルもあって、視覚的娯楽はここ数年で更に爆発的にコンテンツが伸びている。
リアルタイムに配信者とコミュニケーションが取れるコメント機能も充実。配信を見ているどこかの誰かとSNSで感情の共有も簡単。
もしかしたら自分でラジオ番組をつけた事が一度もないという人が今の若い世代には大勢いるかもしれない。
7つ離れた妹もラジオを聴く習慣がなく、「マンガの「リクエストをよろしく」が面白かった!ラジオが好きだ!」と感想を話してもイマイチピンと来ていなかった。
妹にとってラジオとは「お姉ちゃん毎日ラジオ聞いてたよね。壁越しにその音が聞こえていたよ」という存在だったようだ。
すまぬ、我が妹よ。毎日煩かったね。文句言わないでくれてありがとう。

こんな時代にラジオは居場所を失っていってるのだろうか。

それでも敢えて「ラジオっていいぞ」と言いたくなる。
ラジオの何よりの利点は使うのは耳だけでいい事。
しっかり集中して聞くのも、SNSで感想を書いたり、ラジオにメールやFAXをしたり、音が届く限り部屋中を動き回って掃除をしたり、勉強に、車の運転。
何か別の事をしながら「ながら聞き」が出来る。
耳以外にリソースを割かなくていいって今の時代で実は強みになるのではないか?なんて思ったりする。
どこもかしこも映像の時代。
この環境に少し疲れたのであればなんとなくラジオを部屋の片隅で流してみる生活はいかがだろう。
きっと温かい音があなたの部屋にも届いている。


それにしても、いくらなんでも携帯ラジオを胸ポケットに入れて野球中継聞きながら下校する女子高校生って変わり者にも程があるだろ。と自分で書いてて笑ってしまう。
どんな生活してたんだ。
友人に恵まれていたのが幸いである。
一時、自分の特技を携帯ラジオやラジカセのダイヤルを回して周波数をキレイに合わせる事。などどのたまっていた時期もある。
本当に、心の底から、優しい目で見守ってくれていた友人達には感謝しかない。アーメン。

漫画「リクエストをよろしく」の感想じゃなかったのかと思われても仕方がないレベルでただただラジオとの想い出語りになってしまったが、
これだけの気持ちが溢れてしまうほど「リクエストをよろしく」に心を揺さぶられた人間がこの世に存在するのだという事がどこかの誰かに伝わればいいなと思う。


余談だが舞台のHPで作者さんが語っておられた先日朗読劇が千秋楽を迎えたというお話。
この朗読劇に関して自分が恥ずかしいのと悔しいのとで赤面ものだが主演2人をよく知っていた。
その2人が一緒に朗読劇をやるんだという情報も得ていた。
なのに、タイトルやストーリーをきちんとチェック出来ていなかったせいで次、大阪で再演をするという発表があるまで一切結びついていなかった。
関西ジャーニーズJr.を卒業し、現在ジャニーズ俳優部門として舞台にそれぞれ立ち続けている室龍太くんと浜中文一くんだ。
作品も確認出来ていなかったのにこの2人がタッグを組むなら行ってみたいと思ったにも関わらずこの体たらく。
自分の不甲斐なさを心から恥じている。
奇しくもこのタイミングで今度は3月に大阪公演を行うという発表があった。
是非朗読劇の方もチケット申し込みをしたいと思う。

ちなみに本日2021/12/25より最速先行の申し込みが始まった舞台「リクエストをよろしく」は全公演申し込み完了した。
既に昨日、全日程分の有休届は出して受理された。
後は当選を祈るのみ。
外れても当日券でも何でも入る覚悟をしている。
待ってろ東京。5日間世話になるぜ。


これはきっと今、出会うべくして出会った私の運命だったんだ。